(1) 膠原病とは

膠原病とはイメージ膠原病(こうげんびょう)とは、全身の血管・皮膚・筋肉・関節などに原因不明の炎症が起き、それによる発熱や湿疹、あるいは関節の痛みなどが現れる病気です。
特に女性に発症することが多く、比較的若い女性にも症状が見られることがあります。

膠原病に含まれる病気
全身性エリテマトーデス(SLE) / リウマチ熱 / 強皮症 / 皮膚筋炎および多発性筋炎 / 結節性多発性動脈周囲炎 / 関節リウマチ / シェーグレン症候群 / 混合性結合組織病 / ウェグナー肉芽腫症 / 高安動脈炎 / 側頭動脈炎 / 好酸球性筋膜炎 / ベーチェット病 / サルコイドーシス
関節リウマチについてはこちら

膠原病の初期症状発熱・咳・関節痛・下痢・腹痛・手足の痛み・しびれ・倦怠感・湿疹など胃腸炎や風邪に似たものが挙げられます。これらが一ヶ月以上続くようであれば膠原病が疑われます。どれもありふれた症状なので、早期発見・早期治療に結びつけるのが難しいのが実情です。

(2) 膠原病と鍼灸の関わり

膠原病と鍼灸の関わりイメージ 「なぜ私はこんな病気になってしまったのか」
「なぜ痛みや様々な身体の不調に悩まされなければならないのか」
と、やるせない思いで毎日を過ごしている方も多いと思います。
膠原病は現代の医学でも、内臓を含む全身に炎症が起きる自己免疫疾患ということくらいしかわかっていません。
しかしながら中国医学、特に鍼灸においては、紀元前の古い医書にも膠原病と思われる疫病の説明があり、「身体に流れる経絡・経穴に鍼・お灸をすることにより、身体を揺さぶるほどの変化をもたらし、これを改善する」と記載されています。
例えば関節リウマチは「骨痺」という名で、骨が重く痛みがあり、手を挙げ動かすことができない、と書かれています。また膠原病で顔に蝶のような形の赤い模様が現れる症状(全身性エリテマトーデス(SLE))は「陰陽毒」「胡蝶丹」、唾液を含む体内の分泌物が減少する疾患(シェーグレン症候群)は、水分がなくなって乾くことを意味する「燥痺」という名がついています。皮膚筋炎は「肌痺」と呼ばれ、肌の萎縮を主な症状とし、痛み・痒みが絶えずあると記されています。
当院ではこれらの症状に対して、人体の経絡に沿って鍼を数十本打ち、経絡の流れを判断し、反応の強く出る経穴にお灸を据えながら、一人一人に合った治療をしていきます。

(3) 当院での症例

70代女性
強皮症の症状で物を掴むことが困難でした。うまくリンゴを掴んで皮を剥くことができず、4つに切っても剥けないとこぼしていました。 治療を続けるうち、小さめのリンゴだが、自分で丸ごと皮を剥くことができるようになったと喜んでいます。

60歳女性
もともとアレルギー体質で皮膚の痒みや湿疹が時々出ていました。しかし突然体全体に大きな隆起のある赤い発疹が出て病院へ。 以前からあった指の痛みや軽度の変形に加え、目が乾きやすい、唾液が少なく口がねばつくなどの症状もあり、病院での検査の結果、シェーグレン症候群と診断されました。 発疹・痒みを抑えるためにステロイド薬とヒスタミン剤を処方されましたが、発疹は治まらず、むしろ薬の副作用か胃の痛みと吐き気が続いているなか来院されました。 経絡への鍼と経穴への灸の結果、4回目の治療あたりから吐き気は治まり、発疹が出る頻度が少なく発疹そのものの大きさも小さくなるなど、症状の改善がみられました。

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